サイト内検索
水回りのトラブルは「水漏れ」「詰まり」だけでなく「悪臭」もあります。
水回りの悪臭とは「下水臭・排水臭」のことを指します。
「臭い」というものは目に見えないので原因がわかりにくいという特徴があります。
悪臭が発生しても水回りの使用が出来ない訳ではありませんが家の中で悪臭がすると快適な生活は送れませんよね。
今回は排水管の臭いの原因や台所・洗面所等の水回り毎にできる対策や防止方法を解説して行きます。ぜひ最後までお読みください。
目次
家の水回りは上水と下水に分かれています。
上水は給水管や給湯管のことで臭いは発生しませんが下水は排水管なので臭いが発生します。
しかし排水管の形状や機能で悪臭が家の中に上がって来ないようにしているのです。
ここでは臭いの発生する「排水管」について見て行きたいと思います。
家の中には5種類の水回りがあります。
この5種類の水回りは基本的にどの家にもあります。
水回りの種類 | 排水の名称 |
---|---|
台所 | 雑排水 |
洗面所 | |
洗濯場 | |
浴室 | |
トイレ | 汚水 |
台所・洗面所・洗濯場・浴室は「雑排水」と呼ばれトイレは「汚水」と呼ばれています。
排水管も雑排水管、汚水管という呼び方をしますがそれぞれの違いは何なのでしょうか?雑排水管と汚水管の一番の違いは口径の大きさです。
一般的な家の場合は雑排水管の口径は40mmか50mm、汚水管の場合は75mmか100mmです。
倍くらい大きさは違いますがもちろんそれには理由があります。それは物を流すか流さないかの違いです。
雑排水管は基本的に「液体」しか流れませんが汚水管は「排泄物・トイレットペーパー」という「物」が流れて行くので雑排水管のような40mm、50mmの口径だとすぐに詰まってしまいます。
なので汚水管の口径が大きくなっているのです。
逆に物を流さない雑排水管が汚水管のような75mm、100mmの口径だと無駄にスペースを取ってしまうことになるので口径が小さくなっているのです。
排水管は使用した水が流れて行く管です。排水は排水管内を流れて行く時に水の流れとは逆方向に空気が移動します。
水の流れは台所・洗面所等の家の水回りから離れるように外部の排水管へと流れて行きます。
逆に排水管内の空気は家の水回りに向かって移動してくるのです。
排水管は使用した汚い水や排泄物が流れて行くので繋がっており排水管内は臭くいわゆる下水臭というものが滞留しています。
滞留していた下水臭が排水の流れによって各所の水回りへと上がって来るのですがそれをトラップという機能で防いでいる訳です。
なのでトラップと言われる防臭機能は台所・洗面所・洗濯場・浴室・トイレの全てに備わっています。
排水トラップとは排水管の「臭い防止」の為の物であり水を溜めて臭いが上がって来ない様に蓋をしています。
水回り毎にトラップの特徴がありますので見て行きましょう。
水回りの種類 | トラップの種類 |
---|---|
台所 | 排水栓にトラップ、Sトラップ |
洗面所 | Sトラップ、Pトラップ |
洗濯場 | 排水口にトラップ |
浴室 | |
トイレ | 便器内に封水が溜まっている |
台所のトラップは排水栓とSトラップがあります。
多くの家の台所シンクには排水栓が設置されていて排水栓にはトラップ機能があり下水臭を防いでいます。
ディスポーザーを使用しているシンクは排水栓ではなくSトラップが設置されていてSトラップで下水臭を防いでいます。
洗面所はSトラップとPトラップがあります。
Sトラップは床の排水管に接続していてPトラップは壁の排水管に接続しています。
SトラップもPトラップも洗面ボウルからトラップ部までは同じでその先が床に接続するか壁に接続するかで形状が変わります。
Pトラップは2点・3点ユニットバスの洗面台下や集合住宅で設置されていることがあります。
洗濯場は洗濯パンに付いている排水口にトラップが付いています。
洗濯パンが無い排水口でもトラップは付いています。
違いは排水口とトラップの大きさです。
洗濯パンの排水口・トラップは大きく洗濯パンが無い排水口・トラップは小さいです。
浴室の排水口は基本的には洗濯パンに付いている排水口・トラップと同じ様な形状です。
ユニットバスはこの様なタイプが多いです。
在来工法の浴室の場合も排水口にトラップが付いていますがトラップ形状には少し違いがあります。
在来工法の排水口は台所排水栓のようにお椀型のトラップ部品を排水口に覆い被せるように取り付けます。
トイレは便器の中に「封水」という水溜まりがありこれがトラップの役割を果たしています。
水洗トイレであれば洋式和式に関わらず全てのトイレで封水が溜るようになってます。
ちなみに雑排水管の場合は古めの家だと水回りにトラップがなく外部の地中を走っている排水のメイン管と雑排水管の接続部(排水桝)でトラップを取っていることがあります。
臭いは目に見えないので「悪臭がする」ということは分かってもどこから発生しているのかがわからないということはよくあります。
臭いは建物にとってあまり影響はありませんが人体には影響があります。
酷くなると気分が悪くなったり頭が痛くなったりと体調に崩す危険性があります。
あまり放置しておけるものでもありません。
悪臭が発生する原因について水回り毎の症状も併せて解説して行きます。
トラップで臭いに蓋をしているはずなのにどうして家の中に悪臭が発生するのでしょうか。
考えられる原因は5つありますので見て行きましょう。
いくらトラップをしていても排水管のどこかに隙間が空いていたらそこから悪臭が発生します。
起きやすいのが床上排水管と床下排水管の接続部です。
この部分は接着している訳ではなく防臭パッキンと言うパッキンで接続をしています。
このパッキンが何かの拍子で外れてしまうと隙間が出来て臭いが発生するのです。
この症状は悪臭で良くある原因の一つです。
トラップ部の水が無くなっていると蓋の役割を果たさなくなり臭いが上がって来ます。
封水切れは水が全部なくなるわけではなく水が減ってトラップが効かなくなるということです。
その原因は排水管内の汚れによる空気圧の変化が考えられます。
排水管内に汚れが溜まっていると排水管内で狭い所と広い所がでてきて空間の大きさの違いが出来ることにより空気圧の変化で水が引っ張られることがあり封水切れを起こしてしまうこともあるのです。
②と似ていますが若干違いがあります。
トラップには水が溜まっているのに悪臭がするという状態の時です。
これは排水管内に汚れがこびり付いている時で特に臭いの強い汚物や油脂の塊りが排水管内にこびり付いていると悪臭がすることもあります。
臭いが上がって来るのは水を流した時だけでこのような症状はトイレか台所のみで稀に起きる事があります。
これは洗濯場と浴室に限ったことですが自分で排水口の掃除をした後に正常にトラップの設置が出来ておらず隙間が空いていてそこから悪臭が発生するという状態の時です。
トイレ以外の台所・洗面所・洗濯場・浴室で起こる可能性のある悪臭ですが排水口のトラップ上に汚れが付いている場合に臭いがすることもあります。
強烈な臭いではありませんが「何か臭い」「少し臭い」という症状の原因であることが考えられます。
それでは台所・洗面所・洗濯場・浴室・トイレという水回り毎の悪臭の原因を見て行きましょう。
台所で一番多く起きる悪臭の原因は悪臭原因①の排水蛇腹ホースと床下排水管の間にある防臭パッキンが外れているという状態です。
外れてしまうのかというと蛇腹ホースに調理器具などが当たった時や床下排水管の詰まりにより水が溢れ出した時に外れることがあります。
台所は悪臭原因②、③、⑤も発生する可能性はありますがあまり良く起きる症状ではありません。
洗面所で一番多く起きる悪臭の原因は悪臭原因①のトラップ排水管と床下排水管の間にある防臭パッキンが外れているという状態です。
何故外れてしまうのかというとトラップ排水管に洗剤などが当たった時や床下排水管の詰まりにより水が溢れ出した時に外れることがあります。
また洗面所の場合はご自身でトラップ部を取り外して掃除した時などに防臭パッキンがきちんと接続されずに悪臭がすることもあります。
洗面所は悪臭原因⑤も発生する可能性はありますがあまり良く起きる症状ではありません。
洗面所では悪臭原因②、③が発生する可能性はほとんどありません。
洗濯場で一番多く起きる悪臭の原因は悪臭原因④の自分で排水口の掃除をした後に正常にトラップの設置が出来ておらず隙間が空いていてそこから悪臭が発生するという状態です。
洗濯場は悪臭原因②も発生する可能性はあります。
排水口内にあるトラップが切れるという状態ですが洗濯排水トラップは位置が低いので汚れ溜まりによる空気圧の変化で水が引っ張られやすくトラップが切れてしまうこともあるのです。
洗濯場は悪臭原因⑤も発生する可能性はありますがあまり良く起きる症状ではありません。
浴室は洗濯場と排水形状が似ているので洗濯場の悪臭原因とほとんど同じです。
トイレは基本的に下水臭が起きにくい場所です。
悪臭原因②が発生して封水が切れてしまうと悪臭は発生しますが良くある症状ではありません。
他に悪臭が発生するとすれば悪臭原因③の排水管に便がこびり付いていて水を流した時に瞬間的に臭いが上がって来て滞留するという状態です。
また下水臭ではないのですが尿の臭いが発生することもあります。
尿の臭いとはアンモニア臭でツンと鼻をつくような臭いです。
これは男性が小便をした時に便器の外に飛び散った尿が床や便器にこびり付いて悪臭を発生させています。
このように水回り毎に悪臭の原因が違います。症状を改善する為には原因の特定が不可欠なのでよく把握をしておきましょう。
悪臭が発生したらどのようにすれば改善できるのか悪臭を発生させない為にはどのような防止方法をすれば良いのかについて効果的な薬品の使用方法から水回り毎の悪臭対策や防止方法を解説して行きます。
排水管の臭い原因は様々ですが悪臭原因⑤「排水口の汚れ(トラップの上)」の対策や防止方法として薬品を使用しての作業が効果的です。
ここでは排水口の汚れ除去に効果的な薬品と使用方法について解説いたします。
※重曹の上にお酢をかけると化学反応して泡が出てきます。
※どの作業でも熱湯で洗い流さないようにしゴム手袋を着用して行うようにしましょう。
また他の薬品と混ぜないようにしましょう。
他の薬品と一緒に使う薬品によっては人体に有害なガスが発生するものもあるので注意事項をしっかり読んでから使用しましょう。
それでは水回りの悪臭対策や防止方法を見て行きましょう。
台所や洗面所の付近で排水管の臭いがしている場合はまず原因を特定することが最優先です。
それでは悪臭の原因を特定する為のチェックポイントを見て行きましょう。
以上のポイントをチェックし原因を特定します。
・手で蛇腹ホースの接続ナットを取り外します。
・もし手で外せない場合はウォーターポンププライヤーで取り外しましょう。
・蛇腹ホースを外すと排水栓から水が漏れてくることがありますのでバケツを用意しておき排水栓の下に入れて水を受けましょう。
・接続ナットが外せたら蛇腹ホースと防臭パッキンを取り外します。
・排水栓に接続ナットを取り付けてから床下排水管に蛇腹ホースを差し込みます。
蛇腹ホースの差し込みと防臭パッキンを先にセットしてから接続ナットの取り付けを行うと防臭パッキンが外れたり浮いたりしてしまうことがあるので気を付けましょう。
・水を流して接続部の水漏れが無いかを確認します。
・手でトラップ部の接続ナットを取り外します。トラップ内の水はバケツの中に入れましょう。
・手で外せない場合はウォーターポンププライヤーで取り外しましょう。
・接続パッキンを無くさないように注意しましょう。
・トラップ部が外せたらトラップ排水管と防臭キャップを取り外します。
・床面の点検口下で防臭パッキンの接続をしている場合はプラスドライバーで点検口蓋のネジを外して点検口蓋を取り外しましょう。
・トラップ排水管と防臭キャップを仮置きして排水トラップ部を軽く接続します。
・位置が決まったら防臭キャップをセットして排水トラップ部の接続ナットをしっかりと締めます。
・最後に防臭キャップが浮いていないかを確認します。
・床面に点検口がある場合は点検口蓋にトラップ排水管を差し点検口蓋の先に防臭パッキンを取り付けます。
・排水トラップ部、トラップ排水管、防臭パッキンの接続が終わってもまだ点検口蓋はしないようにします。
・水を流して接続部の水漏れが無いかを確認します。悪臭が改善されていたら点検口の蓋を取り付けます。
※換気をしっかりして臭いが無くなったかを確認をするようにしましょう。
薬品を使っても改善が見られない場合は排水管に汚れが溜まっている可能性が高いので水道業者に依頼しましょう。
排水管に汚れが溜まっている可能性があるので水道業者に見てもらいましょう。
・台所シンクや洗面台の排水口を細めに掃除する
・薬品洗浄などを1~2ヶ月に1回は行ないましょう
浴室や洗濯場付近で排水管の臭いがしている場合の原因を特定するチェックポイントを見て行きましょう。
以上のポイントをチェックし原因を特定します。
・排水口が洗濯機の下にある場合は洗濯機を移動させてから行います。
・蓋の部分は基本的に円形ですが組み立てて円形になる物もあります。
・トラップ部は2つあり外側のトラップ部は手で反時計回りに回して取り外します。外側のトラップ部が取り外せたら内側のトラップ部は直ぐに外せます。
・固くて手で外れない場合はウォーターポンププライヤーを使用して取り外しましょう。
・パッキンやワッシャーがあるタイプもあります。
・内側のトラップ部をセットしてから外側のトラップ部を手で時計回りに回して取り付けます。
・接続部付近が汚れているとしっかりと噛み合わなくなるので汚れている場合はタオルでキレイに拭きましょう。
・パッキンやワッシャーがあるタイプの場合は取り付け忘れしないように気を付けてください。
・硬く締め込み過ぎると次に取り外す時とても大変になるので注意しましょう。
・改善が見られなければ一度業者に見てもらいましょう。
・蓋はピタッとはまる所がありますのでしっかりと排水口にはめ込みます。
・浅く差し込むと洗濯機を使用した時に外れてしまう危険性があるのでしっかりと差し込みましょう。
・浴室は蛇口から水を流して、洗濯場は洗濯機を作動させ脱水して改善出来ているかを確認します。
トイレ付近で排水管の臭いがしている場合の原因を特定するチェックポイントを見て行きましょう。
以上のポイントをチェックし原因を特定します。
・アンモニア臭の原因は男性が小便をした時に便器の外側に飛び出した尿です。可能性のある場所を拭き上げましょう。
・床の木に浸み込んでいる場合は水拭きではなかなか取れないかもしれません。
アンモニアは刺激臭なのでマスクをして作業しましょう。
「臭い」は目に見えません。それだけに原因の特定が難しいことも多々あります。
改善しようと色々やってみるのは良い事ですが気を付けなければいけないのが原因と改善作業が合っていない場合です。
例えば防臭パッキンの外れによる事が原因なのに排水口に何度も薬品を入れて掃除をしてるような状況です。
なので悪臭は原因の判明が最も重要であるということをぜひ覚えておいてください。
水回り毎のチェックポイントをしっかりとチェックすることである程度の原因特定が出来るでしょう。
それでも改善出来ない場合はお気軽に水道業者へご相談ください。