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水道トラブルの中でもよくあるパイプの詰まりは頻繁に起こると不便なだけでなく、水漏れなどさらに大きな被害が心配になります。
しかし日ごろの掃除にひと手間加えて、パイプの詰まりをちょっとしたコツで予防することもできます。
しかもそれは専用の道具でなく身近にあるものを使うので、いつものお手入れや緊急時の一時処置にも役に立ちます。
詰まりを解消するために必要な道具と方法、さらにどうしても困った時に業者を呼ぶタイミングと適切な選び方についても併せて紹介しましょう。
目次
パイプとは英語で管という意味ですが、一般家庭の水道で言われるパイプというのは主に次の2種類を指します。
続いて、家の中にある代表的な水回りの場所を5つ挙げましょう。
パイプと水回りを定義づけたところで、次に給・排水管の各々について、さらに詳細な特徴を説明しましょう。
給水パイプは、水道水が外部の水道管から家庭内の各水回りに、蛇口を通って運ばれてくるための管です。
また水だけでなく給湯器で温められたお湯を供給する給湯管もあり、浴室や台所、洗面所で蛇口をひねるとすぐに温かいお湯が出ます。
外観的特徴は主に金属製で、排水パイプよりも細いです。
排水管は、生活のために使った使用済みの生活排水が外部の下水道まで送り込まれるために通る管です。
管は塩化ビニール製(一部のものは金属製)で給水管よりも太く、真ん中の部分でS字型(またはP字型)に曲がっているトラップタイプのものもあります。
給水、排水それぞれの役割をする2種類のパイプは、一般的には水回りごとに次のような場所に設置されています。
次に、2種類のパイプが詰まる原因を解明してみましょう。
給水パイプが詰まる主な原因トップ3には、以下のものが挙げられます。
詰まりの前兆としては、次のような現象が頻繁に起こります。
5つの水回りではいずれにおいても、給水管は外からきれいな水が送られている点が共通しています。
そのため、つまる原因に大きな違いはほとんどありません。
排水パイプが詰まるのは生活で使用した時に混ざる不純物が原因です。
主な原因物質のトップ3を、水回り別にまとめました。
水回り場所 | 第1位 | 第2位 | 第3位 |
---|---|---|---|
台所 | 油、脂成分 | 食物や調味料、食器用洗剤のカスや残留物 | つまようじ、食器などの異物 |
お風呂場 | 髪の毛 | 皮脂汚れや水垢、カビ | シャンプーのふたなどの異物 |
洗面所 | 髪の毛 | ヌメリやヘドロ | 指輪やコンタクトレンズなどの異物 |
洗濯機 | 糸くず | 排水に含まれる洗剤の残留成分 | ヘアピン、コイン、砂等の異物 |
トイレ | 便及びトイレットペーパー | 排泄物や嘔吐物、尿石(小便器の場合)など | スマートフォンや子供のおもちゃなどの異物 |
また、詰まりの前兆には以下のようなものがよく見られます。
これらの現象が表れたら、すみやかに対処して予防しましょう。
排水パイプでは、水の使用目的が異なるため詰まり物質が違います。
たとえば汚れの性質でいえば、台所の油汚れ、お風呂場やトイレで人体から出る汚れは中性から酸性寄りですが、トイレ詰まりにある尿石などはアンモニア臭から分かるようにアルカリ性寄りです。
また髪の毛、紙類、糸くずなど、ものの硬さや形状も違うので、予防対策もそれぞれの詰まりに合った方法があります。
水道の排水パイプは日ごろの掃除にひと手間加えるだけで、簡単に詰まり予防ができます。
その方法について、場所ごとに適したものを紹介しましょう。
台所のパイプ詰まりの1番の原因は油汚れ、これを除去するために有効な道具は以下の方法です。
パイプクリーナーはよく使われている定番のお手入れ方法の一つで、流すだけで手軽、さらに手を汚さないというメリットは大きいですね。
しかし液の性質が強いため、酸性の商品と混ぜると有毒の塩素ガスを発生させるなど危険も伴います。
また強いアルカリ性ゆえにパイプに使われている金属パーツや塩化ビニール素材の劣化を早めるので、使用頻度は多くても週に1回程度までに留める方が理想です。
一方、タオルとお湯を使う方法は安全かつ経済的なため、実際に大手キッチンメーカーでも推奨されています。
お湯の熱で油汚れを柔らかくしてから詰まりを流していく方法で、これを知っていると予防だけでなく、いざという時の応急処置にもなります。
道具は古タオル1本とお湯だけ、以下の手順で行いますのでぜひマスターしましょう。
なお注意点もありますので、作業する前にしっかり頭に入れておきましょう。
お風呂場の詰まりで圧倒的に多いのが髪の毛、これをできるだけ取り除くことがパイプの詰まりを解消する方法です。
この時に有効なのが以下の道具を使うやり方です。
お風呂場でもパイプクリーナーは活躍、髪の毛を溶かす効果があるので重宝されています。
その一方で、ワイヤーハンガーに少し手を加えて排水管内に挿入し、動かしながら髪の毛を絡め取る方法もあります。
材料はハンガーとペンチだけ、これも予防と緊急時どちらにも役立つので知っていると便利です。
なおこの方法にも作業前に頭に入れるべき注意点があります。
※ワイヤーが管内でひっかかって抜けなくなる事がありますので十分注意して下さい。
また、排水管の使用年数が10年を経過していると内部が錆びて弱っている可能性もあります。
その場合はこの方法では管を傷つけるおそれがあるので控えた方が良いでしょう。
洗面所のパイプ詰まりの原因もまた髪の毛が多いですが、この他にも手洗いや洗顔の時に出た皮脂汚れ、微量の泥などがヌメリとなってヘドロ状にこびりつきます。
このような汚れには以下のものを使うことがおすすめです。
ここでもまたパイプクリーナーが活躍、液体を流すだけでヌメリを溶かし、さらに防カビや消臭効果にも期待が持てるので、やはり便利です。
しかし洗面所には毎日立つので、使用している限り髪の毛やヌメリは日々溜まっていきます。
また洗面所はお風呂場に併設されていることが多く湿度も高いので、カビやヌメリが発生しやすい環境です。
パイプクリーナーを使わない日は天然素材の重曹を使ってみるとカビの予防にも効果が期待されます。
以下の手順で行いましょう。
注意点はお酢のにおいが残りやすいので、手順4.ではしっかり換気をすること、また液体パイプクリーナーと混ざらないように細心の注意を払うことも必要です。
洗濯機のパイプは本体とホースでつながっています。
ホースを外したその後で排水溝を掃除しますが、この時にすすめられるのが以下の方法です。
手順
トイレのパイプ詰まりはトイレットペーパーや水溶性のお掃除シートの他、使用しているとどうしても出てくる排泄物が原因になることも時々あります。
トイレの詰まりを予防するためには、以下の方法を使うのがおすすめです。
上記の方法についてそれぞれ手順を紹介しましょう。
トイレットペーパーなど水溶性の紙類がつまった時に有効です。
お湯の温度で紙類をふやけて柔らかくし、流れやすくするためです。
用意するものは次の3つです。
以下の手順で行いましょう。
この方法の最大の注意点はお湯の温度、熱湯は便器の陶器素材を破損させるおそれがあり大変危険です。
またバケツでお湯や水を入れる時は少しずつがポイント、一気に入れると急激な水量に詰まりが追い付かず溢れ出す可能性があります。
重曹とお酢を使う方法は洗面所の方法でも紹介しました。
トイレ詰まりでは、以下のものを用意し、次の手順で行います。
用意するもの
いつもの掃除の延長でできて、かつ身近な道具を使った詰まり解消方法を紹介してきましたが、さらに効果的なのは詰まり除去に特化した専用道具を使うことです。
家庭で使える道具には主に以下のものがあります。
これらの道具が一つあると、万が一詰まった時でもあわてずに済みます。
購入先はホームセンターの他、インターネットでも扱っているので手軽に入手できます。
気になる費用相場はメーカーにもよるため価格帯に幅がありますが、ここでは販売数の多いものをピックアップしその平均をまとめました。
道具名 | 平均価格帯 |
---|---|
ラバーカップ | 1,000円 |
真空式パイプクリーナー | 3,000円~5,000円 |
ワイヤーブラシ | 3,000円~6,000円 |
家庭用高圧洗浄機 | 15,000円~100,000円 |
この金額はあくまでも平均値のため、実際にはさらに安価な商品も数多くあります。しかし安いものはやはり壊れやすい傾向があり、平均的な金額の方が作りはしっかりしているので壊れにくいです。
DIY修理こそ道具選びを適切に行う方が、結果的には経済的です。
パイプの詰まりは日常の掃除にプラスオンして予防でき、なおかつ道具がなくても身近なものを使ってある程度解消することも可能です。
しかし次のような状況では、専門業者の力が必要です。
排水管にプラスティックや金属を誤って流してしまったという失敗は、比較的よく耳にする経験談ですね。
その場合、手を伸ばしても届かない、目に見えない場所に落ちてしまった時はあえて手を加えないようにしましょう。
無理に作業して失敗すると詰まりが悪化していく危険性もあります。
水回りの器具にはすべて耐用年数があり、使用とともに劣化していきますがその平均寿命はおおむね10年程度とされます。
また寿命が近づいたパイプは本体だけでなく、接続に使われているパッキンなどの部品も同じように劣化しているケースも少なくありません。
さらに使用年数の長いパイプほど内部の汚れが沈着し、管そのものももろくなっていることがあります。
自己判断でワイヤーブラシを使って傷つけてしまうと水漏れの原因にもなるので、こういうときはプロの技術に任せることがすすめられます。
いつも小まめにお手入れしているにも関わらず高い頻度で詰まるようになった場合もまた、業者に相談するタイミングです。
詰まりの原因物質は一般の人で取り除けるのは目に見える場所、しかし目の届かないパイプの深い部分にも同様に汚れは溜まっています。
このような場所は暗くて狭いため目視が難しく、原因不明とされがちです。
詰まりの原因が分からないときほど、専門家の的確な診断が求められます。
排水パイプの詰まり予防については、DIYでメンテナンスできる方法がいくつもありますが、給水管が詰まった場合は無理に手を加えず水道業者に依頼するほうがおすすめです。
その理由は水道水を安全に使うためです。
給水管が排水管と比べて自分で直しにくいのは以下の要因が挙げられます。
排水管の場合はパイプの内部を掃除すれば解決できることが多いですが、給水管の場合は水がきれいな状態で使えなければなりません。
そのためにも、給水管が詰まった時は専門知識に基づいた修理法が安全です。
水道工事を専門業者に依頼する場合、費用を気にする人は数多くいます。
確かに今では専用の道具も市販されているので、やり方さえ分かれば自分で直してしまう方が経済的です。
しかしパイプの詰まりは放置しながら自然解消することはまずなく、むしろ水漏れや管の破損を起こすと余計に費用がかかってしまいます。
パイプ詰まりで業者が行う主な作業内容とその料金相場をまとめました。
修理工法 | 作業内容詳細 | 料金相場 |
---|---|---|
基本の作業 | 管の内部にこびりついた汚れを業務用の液体を使って溶かす、専用の道具は使用しない | 5,000円~8,000円 |
ローポンプ | ローポンプという業務用ポンプを使って詰まりを吸引して除去する | 15,000円~30,000円 |
トーラー | ワイヤーの先端に洗浄ブラシのついた業務用専用器具で管内部にこびりついた詰まりを粉砕する | 15,000円~30,000円 |
高圧洗浄機 | 業務仕様の出力の大きい高圧洗浄機を使い、高水圧の水を流して詰まりを取る | 15,000円~30,000円 |
なお、次の場合には料金加算されるケースもあるので注意しましょう。
また状況に応じて、以下のような別途費用が発生する場合もあります。
依頼の電話をする前に修理費の相場を知っていると、その業者が適正価格なのか判断材料になります。
なお水道工事は実際に進めていく中で修理箇所が見つかると、見積もりの金額より増える場合もあると念頭に置きましょう。
水道工事の専門業者はどこも大きな違いが少なく、一般消費者の目線ではなかなか良し悪しの見分けがつきにくいです。
そのため、少しでも良い業者を見つけるためには、以下のような方法で慎重に探しましょう。
突然の水道トラブルを目にすると慌ててしまいますが、そんな時こそ落ち着いて対処することが被害と出費を最小限に押さえられます。
詰まりが発生したら、まず自分でできる方法を試して一時的に処置をします。
その間に業者の比較検討を行ってから決めると、より早く解決できます。
パイプの詰まりの原因は、給水管と排水管、さらに使う場所によって詰まる物質の性質が異なります。
そのため、詰まり解消のやり方も水場によって適切な方法がそれぞれあります。
排水管の詰まり対策には、日常の掃除にひと手間加えて身近な道具を使って予防し、さらにいざという時のために専用道具を一つ持っているとより安心です。
しかし水に溶けないもの、使用年数の経ったパイプ、繰り返す場合には専門業者の力が必要、適切な修理方法を施さない限りそれ以上の改善は難しいです。
気になる費用は簡単な作業であれば1万円程度から可能ですが、相場を知って見積もりを慎重に比較検討して優良な業者を見つけましょう。